縮小社会 第7号 入澤仁美医学博士追悼記念号

真剣な研究者:入澤さん

高柳 敦
京都大学大学院農学研究科森林科学専攻森林生物学分野

私は入澤さんとは2、3回お会いしたことがあるだけで、あまり知っているわけではないが、それでもとても印象的な人であった。最初にお会いしたのは、私が研究会で発表した時であった。神戸のおいしいお菓子を持ってきてくれて、歓待の意を伝えてくださり、初めてで不安も抱えていた私を大いに安心させて下さった。そのときは、明るく、気配りができ、快活な方だという印象を受けた。ところが研究発表の時には、非常に熱意のある話し方で、自分の研究しているテーマに如何に真剣に取り組んでいるかが聞く者にはっきりと伝わってくる発表であった。残念ながら私の専門からは離れたテーマであったが、命に関わることとしてとても興昧深く聞かせてもらった。ご自身が病に冒されているとは露も知らず、重要な研究者になってくれると大いに期待していた。

あのように真剣に自分自身を賭けて研究を行う人が極めて少なくなっている中で、貴重な人を失ってしまい、本当に残念でならない。今はご冥福を祈るとともに、入澤さんのことだから、あの真剣さを天から地上に送り続けてくれていると信じている。

関連記事